第三回はセルフ コンディショニングの4つの柱である「トレーニング・リカバリー・食事・睡眠」の中から
前回のトレーニングに続き、リカバリーに焦点を当てて説明していただきました。
超回復のためのリカバリー
●リカバリー
効果的なトレーニングとは、過負荷を与えることによって超回復を実現しパフォーマンスを向上させるものである。超回復とは激しいトレーニングの後に十分な休養をとることによって負荷をかける前よりも強くなる現象のことである。逆に運動強度が低すぎると、パフォーマンス向上は望めない。また、長期の過度のトレーニングに不十分な回復時間や他のストレス要因が加わることによりパフォーマンス低下や慢性的な不適応を引き起こすことがある。その予防やパフォーマンス向上の為にもリカバリーが重要となる。
アスリートのリカバリーを効率よく進める為に、十分な休養期間とともにアクティブリカバリーやセルフケア(交代浴やストレッチングetc)を取り入れることも重要である。
●効果的なリカバリーをサポートする方法
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交代浴
高い負荷の運動後は交代浴を行う事が望ましい。8~15℃の冷水浴を60~120秒間、その直後に38~42℃で120秒間の温水浴を行う。その交代浴を合計15~20分間実施する。微細な筋損傷を伴う運動後は冷水浴のみで実施する方が良い。また、交代浴を行う環境がない場合は、温水浴と冷水シャワーで代用してもよい。
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アクティブリカバリー
激しい運動後や休養日に低負荷の軽運動(ランニングやエアロバイクなど)を実施することにより次に行われる運動に対してのコンディションの向上を目的とする。状況に応じて軽運動の負荷は注意しなければならない。
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ストレッチング
実施時間は各筋群に対して15~30秒とし、反復回数は1~3セットとする。運動前や筋力向上目的のトレーニング後には高強度のストレッチは避けたほうが良い。
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その他、栄養補給や睡眠も重要である。
●広義のリカバリー
リカバリーを広くとらえると、怪我の治療やリハビリ更には傷害予防(外傷・疲労性)もこれに含まれる。疲労回復を目的としたセルフケアを実践することにより傷害予防につながる。