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サッカーの「ケガの予防・応急処置」など、メディカルに関する情報をお届けします

サッカー
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MEDICAL REPORT
メディカルレポート
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並木磨去光氏(アスレティックトレーナー)インタビュー

子どもたちがセルフケアをできるように

アスレティックトレーナーとして広く国内外で活動している並木磨去光氏が、 体のセルフケアの大切なポイントについてアドバイスしてくれた。

正しい姿勢での股関節の使い方

体のセルフケアには、二つの考え方があります。一つは、ケガの予防。もう一つが、疲労回復です。 スポーツのケガについては、接触することで起こるスポーツ外傷と、特定の部位が酷使され疲労が蓄積して起こるスポーツ障害があります。 外傷は突発的に発生しますが、障害は正しい姿勢や体の使い方によってある程度の予防ができます。 子どもたちに多い症状として、ひざの障害であるオスグッド病、かかとの成長軟骨が炎症を起こすシーバー病、腰椎分離症という疲労骨折などが挙げられます。 成長期は腰部を含む下半身のケガが多いですが、下半身だけのケアをすればいいわけではありません。 走るとき、相手と接触するとき、ボールを蹴るとき。 いずれも、上半身と下半身を連動させて正しく体を使うことが大切です。 サッカーでは走る、止まる、ジャンプの動作が多く、そのときに上半身を前に傾けるときやしゃがもうとするときの姿勢がとても重要です。 子どもたちに立位からしゃがんでもらうと、ひざや腰に負担がかかっているケースが多いです。 しゃがむときに、ひざだけでしゃがむことが原因です。 下半身だけでボールを蹴っていると、股関節を痛めます。 日々一生懸命にボールを蹴っていても、体の使い方を間違っているとどこかの部位に痛みが生じ、パフォーマンスが低下することになるのです。 理想は背中が真っすぐで、股関節を使う姿勢です(前に踏み込むときにひざがつま先より前に出ない)。 そのためには、背中や股関節周りのストレッチと体幹(腰部~骨盤)を安定させることです。 それが体幹を鍛える最も重要な目的であることを前提にトレーニングに臨んでください。

セルフコンディショニングは生活リズムが重要

コンディショニングは疲労をどれだけ回復させるかが重要です。 しかし、とても大切な試合で失敗するまでは、ほとんどの人は真剣に疲労回復に取り組みません。 また、試合直前になって取り組んでも効果は上がりません。 大切なのは毎日コツコツと取り組むことです。 それにはまず、食事と睡眠を規則正しいリズムで生活することです。 3食の中で5大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル)をしっかりと摂取する。 サプリメントは補助食品なので、それだけに頼ることは絶対にしないでください。   睡眠は8時間以上取ることが理想。 眠りについてから約2時間後に成長ホルモンが分泌されます。 規則正しい生活を送ることで成長ホルモンの分泌が安定することになり、より良い疲労回復につながります。 ただし、正しい姿勢や体の使い方を身につけ、規則正しい生活を送って疲労回復に努めても、ケガをすることがあります。 ケガの予防や再発予防にテーピングが最適ですが、その前にテーピングに関する知識を深める必要があります。 テーピングのリスクは2次的障害(他の部位が痛くなる)です。 それを避けるために、ケガの確定診断(専門医の診察)を明確にし、関節を固定する、筋肉をサポートするなど、テーピングの目的を医学的な根拠に結びつけなければなりません。 例えば① 足関節のねんざを何度も繰り返しているケース。 これはじん帯が伸びていて関節が不安定になっている可能性が高いです。 ②偏平足が原因で脚のケガが多いケース。 ①には関節の固定、②にはアーチをサポートするテーピングで対応が可能です。 それを理解しつつ、テーピングする上で必要な補強トレーニングをさせるべきです。 それは、先述した体幹の補強です。 指導者、家族など周囲の人々が体に関する確かな知識を身につけ、成長期である子どもたちがセルフケアできるように導いてあげてください。
Profile
並木 磨去光(なみき まさみつ)
1966 年10月29日生まれ(49歳)。
鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師、(公財)日本体育協会公認アスレティックトレーナーなどの資格を持ち、一般からトップアスリートまで幅広く治療に取り組む。 男子サッカーでは日本代表、U-23日本代表のアスレティックトレーナーとして、3度のF I FAワールドカップ、4度のオリンピックに帯同した。
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